耳の病気
耳が痛い
耳の穴や耳介を触ると痛む場合は、外耳道炎が疑われます。特に、耳の掃除をした後に痛み出したという場合は、外耳道を傷つけてしまい、炎症が起こっていると考えられます。自分で触らず早急に受診してください。
中耳炎にかかったことがあり、耳介の後ろをおすと痛みがある場合は、乳様突起炎の疑いがあります。
耳の奥が痛む場合は、急性中耳炎のほか、慢性中耳炎の悪化、で痛みが起こる場合があります。
鼻が詰まったり、風邪の時に、時々耳の奥がツーンと痛む場合は、耳管カタルによる鼓膜の異常が考えられます。 特にエレベーターや飛行機に乗った時などに症状が強く出ます。
耳だれ
耳に痛みがあって、膿のような耳だれが出るのは、急性中耳炎や慢性中耳炎の急性増悪期です。
耳に痛みが無く、主に粘り気のある耳だれが持続的あるいは断続的にでるのは、慢性中耳炎の場合があります。
悪臭を伴う耳だれの場合は、細菌やカビの感染による中耳炎が考えられます。
耳がかゆい
外耳道の感染で外耳炎になると痒くなったり痛くなったりします。
慢性中耳炎で耳だれが持続的にでていると、外耳道がかぶれてかゆみの原因になります。耳介に湿疹ができて、かゆみを起こすこともあります。
耳あかがたまった場合にも、かゆみを感じることがあります。
いずれにせよ、自分で触らず早めに受診しましょう。外耳炎は掻けば掻くほどひどくなり、慢性になれば治りにくい病気ですので、自分で触らないのが一番の治療です。
耳介の腫れ
柔道やレスリングなどで耳をぶつけたあとに、耳介が腫れている場合は、耳介の皮膚の下に血がたまる耳介血腫が起こっていると考えられます。血腫吸引が必要となります。
耳介が腫れて、かなり強い痛みや発赤を伴っている場合は、耳介軟骨膜炎が疑われます。耳介軟骨膜炎は、耳介の変形をきたすことがあるので早期の抗生剤治療が必要です。
耳鳴り
耳鳴りは、外耳道から脳に至る、音伝わる道筋のどこに障害があっても起こります。耳鳴りは、耳あかや中耳炎などからも起こりますが、内耳の障害によるものが最も多い原因です。「キーン」という音や、「ピー」という高い音がする場合は、内耳に原因がある可能性が高いといえます。一方、「ブー」とか、「ボン、ボン」という低めの音が聞こえる場合は、中耳炎や耳管カタルなどが考えられます。
老人性難聴は、大概は両耳に耳鳴りが起こります。
希ではありますが、聴神経腫瘍や脳の病気から、耳鳴りが発生することもあります。
耳が詰まったような感じ
薄い膜を通して音を聞いているような聞こえにくさがある場合、原因の多くは、中耳や内耳にあります。
最も多いのが耳管カタルです。鼓膜の奥の中耳の障害ですが、風邪をひいて鼻が詰まると中耳と鼻奥をつなぐ耳管が塞がれて、中耳の換気ができなくなります。そのため、中耳の内圧が変化して音がこもって聞こえるようになります。この場合は、鼻の治療をして耳管が通れば、耳閉感も改善していきます。
急性中耳炎や滲出性中耳炎などでも耳閉感が起こります。
メニエール病も耳閉塞感の原因になります。
聴神経腫瘍の初期にも耳閉塞感が現れることがあります。
耳が聞こえない
音は、外耳・中耳・内耳・聴神経によって脳に伝えられますが、この音の伝わる道筋のどこに問題が起こっても、難聴が起こります。
外耳道に耳垢たまってつまる耳垢栓塞、 耳をぶつけて鼓膜に孔があく鼓膜穿孔や、鼓膜炎などでも難聴が発生します。中耳の問題である、急性中耳炎や滲出性中耳炎や、内耳の傷害であるメニエール病、突発性難聴による難聴もあります。
希ではありますが、聴神経腫瘍でも難聴が起こります。
ですから、難聴の原因が、耳のどこにあるかを調べる必要があり、鼓膜の診察や、聴力検査、チンパノメトリー、眼振検査などを行わなくていけません。